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   vistaworld21.com  2008年(平成20年)1月号 
姉妹誌 メールマガジン ビスタスコーレ VISTA Scholé21
主宰:vistaiwao@world.ocn.ne.jp 総局:masashi_sakamoto@kbe.biglobe.ne.jp
                  
VISTA-それは調和のとれた眺めや未だ知らぬ世界に拡がっているはずの景観や見通し、そして未来に向かう生命の展望です。私達は、スカウト運動の創始者ベーデン・パウエル卿が提唱した「自然という教場」の21世紀版を求めてビスタソング" Free Fly Flow" のように伸びやかでさわやかな世界を創り、次の世代に引き継ごうとする有志のネットワークです。
 
 
霜紅葉写真
【 写 真 :霜 紅 葉    】


 
【連載】 大吉の四苦八苦
     
やじま いわを
           
  地元の古刹で除夜の鐘をつき、初詣りをして戴いた甘露?のせいもあったのだろう。 冬空の雄オリオンをよそに天頂に燃える火星に見入った。そして、赤い輝きに思わず「年男の身に今年は何かあるぞ」とボルテージの上がるのを感じた。
 「何か」が何であるのかは判らないが、同行者の真似をしてめったに引いたこともない御神籤を引いたところ、それが第八十二番の大吉。 
 本来ならそれを縦書きしたいところだが、こんな事が書かれていた;
 「紅日当門照」 よい日が門にあたるは天道よりめぐみをうくることなり 
 「暗月再重圓」 くらき月も再びてりたりて じゅうえんとまどかになるなり
 「遇珍須得宝」 これは何事にもあれ珍しきことにあいて財宝を得べしとなり
 「頗有稱心田」 これは目上の人にひきたてられ よほど名をあぐべしという事なり
 また、続く解説がなんとも痛快で有り難すぎた。
▼このみくじにあたる人は、うんせい朝日のぼるが如く立身し、これまで苦労ありたる人も、闇夜をはなれて月夜に入るがごとし、おもいのままに、これよりなることを得べし ▼よろこび事十ぶんなり ▼あらそい事勝ちなり ▼(病人、えんだん、産、ふしん、やうつり、子宝、待ち人・・・は省略) ▼職は土、金、紙、木にえんあることなれば吉 ▼失物出づべしたび立吉 ▼うららかに朝日わがやを照らすなり のきばのうめは色をましつゝ・・・・と。 
 わずか63mm×213mmの薄紙に盛られた336の文字で受け手を小躍りさせるほどの力。それこそが御神籤の由縁なのだろうが、そのご託宣が心を暖めてくれた。
 というのも、このところ子供らをダシにしたワルどもとお人好しの独りよがりに係わり、飼いイヌといったら可哀想だが庇いきれないのにさんざんな思いをさせられたからだ。 だから、旧年のうちに縁を断って遅れがちのプランに専念する気でいたのだが、この「大吉」が振り上げた拳を霞ませてしまった。
 七草がゆを食べて門松を外す日、迷いを晴らそうと思い当たったのが「苦諦」、「集諦」、「滅諦」、「道諦」を説く「四諦の法」、つまり仏法の根本である。 そして、「苦諦」となる生・老・病・死の四苦に「愛別離苦」、「怨憎会苦」、「求不得苦」、「五蘊盛苦」を重ねた「四苦八苦」に生きること・・・それがマトモな人生なのだと諭されながら、まだ「大吉」の夢からさめきれぬ年男ではある。



調査着々
「日本のスカウト遺産100選」
盟友の協力でよみがえる先人の偉業
ボーイスカウト運動の創始100年を期して「日本のスカウト遺産100選」を刊行するため、日本のスカウト道〔光の路〕を拓いてきた先覚者の事跡や事物を踏査し、その真価を語り伝えて今後たどるべき路の未来に歴史的な延長線を示す――4年前、ビスタワールドがこう宣言して始めたプロジェクトは、全国の有志盟友の支援をえて順調に進んでいる。その一端を列挙する。


ウルフカブの立像
【 カブサイン(須磨公園にて) 】
  6月22日、彦根のスカウター中村氏と共に山口県柳井市の誓光寺(住職は前日本連盟音楽委員長村上智真氏:声楽家)に鹿野重師ご遺骨の分骨法要を果した帰路、明石大橋に近い須磨公園に立つウルフカブ像を訪ねた。
須磨公園ウルフカブの立像

昭和天皇の御製碑の取材準備

昭和天皇が、皇太子時代にエジンバラでボーイスカウト活動を視謁した思い出を詠まれた御製碑については、香川連盟から知らされていたが、高松市の現地を今年中に取材する準備を進めている。

一意奉公の顕彰スカウト像

 1933年、三原山頂に昭和天皇行幸記念碑を建設する奉仕活動中、土砂崩壊に遭い殉職した11歳のスカウトの追悼と使命感を讃えた立像と碑文について、予備資料の収集が済み現地調査待ちの段階にある。


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ピクセル彩路紀  No.22
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ちょっと古びたデジカメを手にぶらり歩きもまた楽しいもの。うつろいやすい世間のカゲの道すがらに、 思わず目を合わせたモノたちとの会話も、ナチュラリストのぜいたくのひとつです。
    
【 瀬谷七福神巡り路にて 】
   
ロウバイ 〔蝋梅・トウバイ・カラウメ(唐梅)〕
Chimonanthus praecox
〔cheimon(冬)+ anthos(花)+praecox(早咲き)が語源〕
= = 花はかほるよ= =
 花の少ない冬枯れの庭に咲く中国原産の香りのよい花。 17世紀ごろ日本に渡来し、梅に似た”蝋細工”のような花、また、臘月(ろうげつ:陰暦の12月)に咲く梅に似た花から 「蝋梅」と呼ばれるとも言われているが、よく見られるのは蝋梅のうちの 「素心蝋梅(そしんろうばい)」で、花の外側だけでなく内側も黄色いのが特徴。 花言葉は「先導、先見」
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共育ロータリー
 
いずみ新鮮組の活躍
 ビスタワールドの事業で地元との密着型活動は、「いずみ新鮮組」です。郷土「泉」の自然と豊かな歴史や文化に触れて新鮮な好奇心を寄せながら新鮮な驚きを見つけ、新鮮な心と身体を育むエコクラブを、伊勢山小学校の「遊遊クラブ」(©)と「弥生台野あそび塾」(◆)その他()で展開しています。

©ワタ菓子づくり
 7月14日〔日〕

 夏休み前の遊・遊クラブは、お祭りの屋台さながらのワタ菓子づくりにみんながチャレンジし、大騒ぎをしました。 

【 写真 : ザラメの変身!ワタ菓子づくり】


縄文火起しとツイストパンづくり 
 8月25日〔土〕

 弥生台野遊び塾には、縄文式の火起し体験とツイストパンづくりに親子20人が集まり、少し早いクリ拾いで味覚豊かな集会ができました。



学童キャンプ in 箱根
 8月21日~23日
         
 箱根の里で行われたNPO法人Woodcraft主催の小学生キャンプで、参加児童40人に野外炊事や自然観察など野外活動全般の指導をしました。

【写真:ごろんとしながら星座観察 】

「大自然のひろば」 の学童キャンプは中止
群馬・長野県境の荒船山中腹にみのり保育園の創設者帰山祐子さんとその支援者が開いた「自然の楽校(がっこう)=大自然のひろば」は、用水施設配管の不具合で、園児の利用を止める方針を固めたため、残念ですが夏以後のキャンプには協力できなくなりました。



©
X'masリースづくり
12月8日〔土〕

 今回で3回目をむかえた遊・遊クラブのX'masリースづくりは、芯になるクズの蔓採りや飾り物などの準備も万全。 作り手に児童もなれた手つきでりっぱな作品を持ち帰りました。

【 写真 : きれいに作ろう!! 】


師走の15日は大忙し
 12月15日〔土〕

 午前中は、新橋会館での正月のお飾りと祝箸の袋づくりに、昨年のリピーターも含めて15人が集まり、ワラくずだらけになりながら縄ないを習得して輪飾りや門飾りにチャレンジ。 まずまずの作品を持ち帰りました。
 午後は、泉図書館の集会室で館が公募した21人のX'masリースづくりには芯になるクズの蔓を提供し、それぞれ個性的なリースづくりの世話をしまし
た。

【写真:基本はナワない 】


© ゆく年くる年ハイキング

 12月31~元日

 いずみ新鮮組が鎌倉時代から続く地元の名刹、宝心寺と密藏院を訪ねて除夜の鐘をつき、初詣をして幸せを祈る除夜のハイキングに18人が参加。 オリオン星座や大接近の火星など満天の星空を仰ぎながら、往復6kmを歩きました。


【写真:密藏院の大師さまと 】












「日本のスカウト100選」を盟友の輪で

~~光の路を振り返って、未来の路を確かめよう~~
                 -情報の提供と取材支援にご協力下さい-


 1907年創始者ベーデン-パウエル卿が、スカウティングの種子を蒔いてから間もなく100年を迎えるについて世界中のスカウト組織が多彩な記念事業を展開しています。しかし、日本では現在の活動や組織の拡張に視点が向けられ、「100周年記念」でなくとも当然しなければならない事業が明かされています。
 そこで、私たちは、全国の盟友有志の連携により、日本のスカウト道〔光の路〕を拓いた先達先覚者の事跡や事物を踏査し、その価値と所在を顕彰して日本のスカウト運動が今後たどるべき進路に歴史的な延長線を示そうと、「日本のスカウト遺産100選」 の刊行計画をスタートしました。
 「これこそは、スカウト遺産にふさわしい」と推挙される事跡と関係者の情報提供を是非ともお寄せ下さい。 なお、この事業はビスタ ワールドの基金と支援者の寄金により行うもので、調査・取材の協力者にご負担をかけるものではない事を、念のため申し添えます。

「日本のスカウト遺産100選」実施要項
 目 的
    ベーデン-パウエル卿のスカウト運動が100周年を迎える2007年を記念して、日本のスカウト道〔光の路〕を拓いた先覚者の100の事跡を選定し、その価値と所在を広める。また、今後日本のスカウティングがたどるべき進路に歴史的な延長線を示す。

 選定方針
    対象は、全国の盟友から次の情報等を募り、精査して選定する。
     1. 創始者ベーデン-パウエル卿の来日に関する資料・行程各所
     2. スカウティングの日本伝来に関する事物・エピソード等
     3. 先人の事績・場所・資料・記念碑等
     4. ジャンボリー等歴史的な大会の資料・開催地・記念碑等
     5. その他、歴史的価値のある事物

 調査項目の例示
     1. 野営場:現況写真・開拓当時の写真複写・記念碑等のモニュメント・関係者の談話
     2. B-P足跡:横浜・日光・京都など行程を追う
     3. 記念物品:現物写真・由来・関係者の談話・運動に与えた効果
     4. 教本類:現物の入手又は複写・翻訳や導入エピソードの収集・価値と運動に与えた効果

 探訪調査
    実地調査は、環境共育グループビスタ ワールドとその支援者が行う。
    なお、支援者の氏名等は調査報告書に明記する。

 発表方法
    調査結果はガイドブック形式で随時刊行するほか、インターネットを通じて世界に公開する。 

 運営資金  
   ビスタ ワールドの基金及び支援者の寄金等により賄う。

 問合せ先
   〒245-0016 横浜市泉区和泉町3775矢島方 環境共育グループ ビスタ ワールド本部
   ◆TEL・FAX 045-802-2156  ◆www.vistaworld21.com  ◆vistaiwao@world.ocn.ne.jp


日本のスカウト遺産100選候補一覧  
  平成19年9月現在




北海道 1.旭川連隊跡 2.下田豊松記念館〔B-P書簡ほか〕3.神仙沼
岩 手 1.後藤新平記念館〔自治三訣の書・スカウトハット〕 2.後藤新平銅像
栃 木 1.那須野営場 2.トーテムポール 3.佐野常羽遺品
神奈川 1.グリフィン碑 2.ゲーテ座 3.横濱波止場 4.サンディエゴ水神 5.ガールスカウト像 6. 座間少年団本拠地 7.足柄山金太郎像 8.スカウト戦士像
山 梨 1.山中野営場 2.道心堅固の碑 3.臨雲健児寮額 4.佐野常羽像 5.我はフクロウ碑
東  京 1.第1回全日本ボーイスカウト大会会場(皇居前広場) 2.戦後初日の丸行進コース 3.後藤新平総長震災復興図(復興記念館) 4.高尾山仏舎利塔 5.東連統一の隊旗 6.一意奉公のスカウト像
新  潟 1.みつきさわ記念野営場 2.三先達銘板 3.ブラウンシーの空は青い顕彰碑
長  野 1.第1回日本ジャンボリー開催地 2.自治三訣の書
静  岡 1.城内スカウト像  2.少年団日本連盟発足地  3.ぶらぶら沢  4.第13回世界ジャンボリー会場
愛  知 1.第1回アグンナリー開催地
滋  賀 1.初野営地碑
兵  庫 1.ウルフカブ発祥の地
和歌山 1.浦島・宝島
大  阪 1.ちーやん歌集原稿. 2.中村知の講話(音声) 3.吉川哲雄の講話(音声)
香  川 1.昭和天皇御製記念碑
大  分 1.第1回国際エコキャンプ開催地(久住高原)
沖  縄 1.沖縄連盟復帰前後関係所・物
その他 1.下田のスカウト章 2.戦前スカウト章 3. スカウティング フォァ ボーイズ初期翻訳本 4. 少年健児教範 5.初版ポケットブック 6.初版カブブック 7.ジャンボリー誌初号 8. B-P書簡類 9.戦後沖縄版ハンドブック類 10.スカウト運動記念切手 11.歌の総長尾崎忠次 音盤  






ビスタワールドの刊行物

残部僅少

ビスタスコーレ コンパスシリーズ第一編
  佐藤達郎著全15集(CD-ROM版 \2,500)
  混迷する日本のスカウティングに示す羅針盤

ビスタスコーレ コンパスシリーズ第二編
  「スカウティング独話」
佐藤達郎著 A5=40頁\500
  シリーズ第一編全15集の好評に応え、今のスカウト指導者に語りかける著者会心の近著

ふるさとの いま むかし そして未来へ「安西實翁独話」付 台谷戸の文化財ほかA5=40頁 \500
  いずみ新鮮組の地の旧家で、地誌に詳しい古老の談話に散在する文化財の案内書

ビスタスコーレ コンパスシリーズ第三編 「轟英一郎光路集」
  A5=96頁 \800
信州のスカウト運動再興の父が機関誌その他に載せた珠玉のアンソロジー

ビスタスコーレ コンパスシリーズ第四編 「轟英一郎玉撰抄」
 A5=48頁 \500
信濃のスカウト運動復興の父が筆写した座右真髄の書の数々




★全国の支援者から贈られる文献や資料はVISATA WORLDがしまい込むものではなく、公開して光の路発展の役に立てなければなりません。 コピーの依頼は受けませんが整理できたものから公開しています。★



◆ 墾道をゆく 〔カセットテープ〕
 長野連盟の創立60周年記念を祝ってやじま いわを作の曲「墾道の歌」を、平野敬太郎氏がシンセサイザーでアレンジした演奏曲のテープを、長野連盟コミッショナースタッフの岩原晃氏から寄贈されました。この歌については、巻末のVISTA Scholé 記事を参照して下さい。

◆ The Sony Founder Spirit 〔VHS〕
 シートンプロジェクトを進めているOn the Wind の石井宏枝代表から、標記のソニー50周年記念ビデオが寄贈されました。 日本のボーイスカウト運動の最強力支援者としても著名な井深氏・盛田氏の人柄を偲ぶ映像に感銘。(英語版)

◆ Whay Brownsea?
 8月3日、7年ぶりのブラウンシー島再訪のとき、迎えてくれた盟友Midgley夫妻の息子夫婦から贈られたスカウト運動の創始にちなんだ写真とエピソードが満載の書籍です。

◆ THE JURASSIC COAST
 これは、8月3日ブラウンシー島へのフェリーで前記の盟友Midgley夫妻から贈られた写真集で、ジュラシック海岸と呼ばれるブラウンシー島付近から西方の英海岸の風景が紹介されています。

◆ イギリス旅行写真CD・DVDなど
 スカウティング100年を記念して出かけたイギリスで同行の盟友が撮影編集した写真や動画を、中田・中西・岡・鈴木氏からはCDのフォトストーリーなど、石田氏からはDVDの動画でいただきました。

◆ 地区・団機関誌・など
 ①長岡地区B-P祭要項〔寄贈者:新潟連盟井上法英氏〕 ②飯田第1団総会資料〔寄贈者:長野連 盟岩原晃氏〕 ③スカウトあいちNo.188④イレブンNEWS〔寄贈者:愛知連盟松崎百代氏〕 ⑤やたがらす〔寄贈者:新潟連盟新保正氏〕

◆ 小田原・江南・湘北地区ソング研究会記録-2〔DVD〕〔寄贈者:湘北地区協議会〕

◆ 私のスカウティング史 第1部 「REUNION57」 高畠 潔著 
 1957年のジュビリージャンボリーに参加した著者の人生に息吹くスカウトスピリッツが、どのように燃 えどのように彩られてきたか。 スカウティング100年を祝うイギリスでのREUNION57に参加した感慨 をこめたスカウト賛歌の書を、著者から贈られました。 

◆ ライツ神父さま  竹田誠二著 セントメリースカウト友の会発行
 カトリック・スカウトの基礎を築き多くのセントメリースカウトを育てたライツ神父を慕う著者が、神父の 足跡を述べ、スカウトたちに確かな信仰の道を示す入門書。 平成20年の賀状に添えて著者から贈られました。









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姉妹誌VISTA WORLDメールマガジン ビスタ スコーレ 転載 】 
V ISTA Scholé 21 Vol.11 No.1 2007(H19)年2月25日号
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随 想
 ♪ Free Fly Flow

ベィデン ポゥエル卿に応えられるか =その1=
やじま いわを
100周年を迎えたボーイスカウト運動の創始者ベィデン ポゥエル卿とその夫人の生誕祭は過ぎた。
 が、日本のスカウトや組織は、そのB-P祭をどのように意識して行い創始者の理想にどう応えようとしたか?  気懸りでならない。
 と言うのも、登録人口確保のために女子の加入を許してから、何ごとにもメリ・ハリがなくなり、「健児」意識のない少年や「健児」を育てようともしない急拵えのアダルトらが、「わがためのスカウティング」をいじくるようになってから、日本のボーイスカウト運動は、自から好んで社会の期待から離れてしまったように思えるからだ。
 カネ・イロ・モノがモトで簡単に人を殺したり、法を犯す事犯などの低年齢化対策としても教育基本法の改正があったばかりだが、「美しい日本」を創るのも「愛国心」も「社会のために役立つ」ことも、”そのまんんま”我らボーイスカウトの「普段の行い」であった。 
 なのに、乱世のいま、「世直しの旗手」となれる絶好のこの社会背景にありながら、組織は「社会のために・・・」よりも「人数の確保」にしか目を向けず、こともあろうに、「ビーバー年齢以下の取込み」とか「世界ジャンボリーの誘致」で感心を集めようなどの発想は、狂気の沙汰でしかない。
 そうした遣りきれぬこの頃の、B-P祭よりも20日早い自分の誕生日の夕刻、受けた訃報は、悲痛のワクを超える衝撃だった。
 奥方からの報せで駆けつけたが、少年団日本連盟海洋部育ちで世界の海を駆け巡った海洋男児浦田太一郎氏は、遠い水平線を見回すかのように首を少し傾げたまま横たわり、あの「おゥ、元気かい」の声もない対面となった。

 今はないが、日本のシースカウティングは、118トンの練習船 「義勇和爾丸」の2本マストに13枚の白帆を展げ、海洋健児らの夢を乗せて遠洋を航海しては世界友好の輪を拡げていった。 そして、浦田氏は、その遠洋航海での心意気と技を活かしての生涯だったが、戦後は人柄を乞われて「臨雲寮」時代の山中野営場場長を勤めたので、私も昭和26年夏の初訪問からずっと憧れのパイオニアであった。
 海洋男児の天寿92歳との別れに立会ったのは、夫人と親族とヘルパーと私の5人だった。
 夫人のたっての願いで、ボーイスカウトや業界との交友関係には一切知らせず、静かに旅立たせたい・・・・そして、白亜の豪華帆船を思わせる柩へ帆船の写真を胸にして横たわり、溢れんばかりの花・花・花に埋れながら、天空への大航海に出帆して行った。



ベィデン ポゥエル卿に応えられるか =その2=

 シースカウトのパイオニア浦田太一郎氏との別れから再開した「大車輪」は、出版をベィデン ポゥエル卿夫妻の生誕祭2月22日と初めから決めていた冊子編集作業の追込みであった。
 これは、戦前からの健児で、戦後長野連盟創設と発展のパイオニア轟英一郎氏の膨大な遺稿と、氏が中村知師はじめ心に留めた文献を筆写したノートの出版で、父のスカウティングを継ぐご息女内山悠子LTの理解と盟友岩原氏の支援を得てのプロジェクトである。
 題して、「轟 英一郎 光路集」 (A5版96頁) と「轟 英一郎 玉撰集」 (A5版48頁)
各巻の巻頭に遺影と筆書原稿の断片を収載したので、セット価格が\1,300となってしまったが、限定150部のうち、送呈分以外の70部を、コミッショナーとトレーナー向けの「純正テキスト」として頒けたいとの思いは、「野望」だろうか?
 冊子出版の目鼻をつけた18日からの3日間、初めて沖縄を訪ねた。 
 B-Pスピリッツに燃えた盟友との4人旅だが、「ちゅらの邦」と人情と味覚に惚れ、決戦場結末の悲劇に心を揺さぶられたが、わが初訪問の主題は、「日本のスカウト遺産100選」の下調べである。
 そして、沖縄連盟の重鎮、阿部氏と阿波根氏から格別の資料や県連記念誌をいただき、秋に予定した本調査の足がかりがついた、と安堵したとき、とてつもない「詩」を示された。
 それは、占領下の沖縄で使われたボーイスカウトアメリカ連盟「スカウトマスターハンドブック」邦訳版にのみ掲載された詩で、感傷的で楽観的な詩句が北アメリカ中で広く親しまれた英国生まれの作家作者E. Albert Guest(1881-1959)の作である。


         == 指導者をたたえる詩 ==
                        E. アルバート ゲスト

     君に絵与はなく 君は無報酬で働く
     ともに山野を踏み歩く少年らには
     君に謝礼を払う力はないが 
     黄金をあえぎ求める者よりも
     はるかに豊かななものを君は受けとるだろう

     なぜなら 君の奉仕はさまざまに語り伝えられるからだ
     君はそれを育ちゆくスカウトの顔に
     そしてまた幾多の雄々しき歓喜の中によみとるだろう
     さらに 遠き将来にわたり人々の奉仕の中に
     誉め称えるのを見るだろう
     友情あつきスカウトたちとともに
     よろこび働く労苦の五年

     インディアンの叫びをあげ ふくろう鳴きしつつ
     路をたどった五年
     そして燃えさかるキキンプファィァーの五年
     それは楽しみのためだけでなく
     やがて少年たちがつくる次の世代のために

     彼らは 君に贈る黄金はもたずとも
     やがて 年とともに君が教えたとおりの
     すばらしい働きで 君に答えよう
     彼らは 深い満足感と 素直な誇りとを
     君に贈るだろう

     そして 君の胸は 栄えゆく邦をみて 
     深い喜びに 満ちあふれよう

 指導者の献身的な奉仕と称えるこんなに素晴しい詩が、リーダーハンドブックの巻頭にあった・・・・。
 しかし、もっと素晴しいのは、沖縄連盟の指導者や支援者のみんなが、あらゆる集会でこの詩を朗読し、唱和してきたという「スカウト道」である。事実、先週行われた沖縄連盟「 ベ-デンパポウエル卿生誕祝賀会」の資料にも「連盟歌」と並んでこの詩が掲げられており、指導者が朗読したという。
  小雨と曇りがちの沖縄初訪問であったが、久しぶりに素晴しいB-P生誕祭の内容と語り継がれていくスカウト魂の賛歌に触れて、心晴々帰ることができた。